現在はカードローン事業に銀行が本格的に参加したこともあり、その利用限度額は1,000万円を越えるなど高額化しています。
しかし、このような高額をカードローンで借り入れする人が一体どれくらいるでしょうか。
実際にカードローンで数百万円単位の借り入れをする方はごく一部で、一番多くを占めるのが10万円以下の借り入れだと言われています。
よって、カードローン選びでは高額借入時よりも、少額借入時のメリットがどれだけあるのかを一番に考えなければならないのです。
金利という面ではやはり消費者金融よりも、低金利の銀行の方が高いメリットを受けられるでしょう。
しかし、低金利の銀行カードローンだから安心してはいけません。
考えなければならないのは、10万円以下の借り入れでもメリットを生むカードローンはどれかという点なのです。
これさえ理解できればカードローンをさらに有効的利用することも可能です。
そこで今回はこの問題に焦点を絞って、徹底的に検証していくことにしましょう。
金利は高額借入ほど低くなる
カードローンという金融商品は申し込みやすく、利用しやすいというメリットがある反面、金利が高いというデメリットがあります。
消費者金融よりも安い銀行カードローンといえども、銀行が扱うほかの金融商品と比べれば5倍以上も高い金利設定が行われています。
よって、銀行カードローンを利用する際には「銀行だから低金利」と安心せず、いくらの金利が適用されるのかを必ず確認する必要があるでしょう。
その上、金利は借入額が大きくなるほど低くなる性質があり、下記のように10万円の借り入れと800万円の借り入れとでは、実に10%以上もの金利差が出てきています。
(みずほ銀行)
・800万円以上 金利2.0%
・600万円以上~800万円未満 金利4.5%
・500万円以上~600万円未満 金利5.0%
・400万円以上~500万円未満 金利6.0%
・300万円以上~400万円未満 金利7.0%
・200万円以上~300万円未満 金利9.0%
・100万円以上~200万円未満 金利12.0%
・10万円以上~100万円未満 金利14.0%
以上のように一口に銀行カードローンの金利といっても、簡単に高い安いの判断をすることはできないのです。
しかもこの金利設定を見ると100万円の借り入れを2つするよりも、200万円の借り入れをした方が金利は安くなり、下記のように支払利息にも差が出てきます。
・100万円借り入れを2口の場合
(100万円 × 12.0%) ×2口 = 24万円
・200万円借り入れを1口の場合
200万円 × 9.0% = 18万円
つまりメリットの高いカードローン利用をするためには金利だけではなく、一体いくら借りたいのか、その総借り入れ額で発生する利息は幾らなのかを、まず確認しなければなりません。
となれば借入額が大きくなるほど低金利となるカードローンにおいて、10万円以下の少額借入はいい条件となる可能性は低いことが予測されます。
しかし、落胆する必要はありません。
低金利となる可能性が高い10万円以下の少額借り入れでも、金利メリットを生む方法があるのです。
少額借入なら上限金利が適用される
高額借入ほど金利が低いのならば、10万円以下の少額借入では金利は期待できないということになってきます。
これは先程挙げたみずほ銀行の金利設定を見てもらっても明らかです。
実は高額借入になるほど金利が低くなる、10万円以下の少額融資は決して低い金利は適用されないというこのシステムは、利息制限法という法律が大きく影響しています。
利息制限法とは?
利息制限法は貸主の暴利から借主を守るため、金銭貸借時に過分な利息や遅延損害金が請求されないようその利率を制限した法律です。
貸借時の金利を貸主の利益重視で決められてしまっては、借主はたちまち返済が滞ってしまい、生活は立ち行かなくなってしまいます。
これでは日本は自己破産に追い込まれる人ばかりでごった返すことになってしまいますよね。
よって、この法律は日本国民を守るため、あって当然の法律と言えるでしょう。
利息制限法では借り入れの元金によって、下記のように上限金利が設定されています。
・元金10万円未満 上限金利20.0%
・元金10万円以上~100万円未満 上限金利18.0%
・元金100万円以上 上限金利15.0%
ここで注目してもらいたいのが元金10万円未満の上限金利が一番高く設定されているという点です。
法律で10万円未満の借り入れに対しては、一番高い上限金利を適用してもいいと許しが出ているわけです。
となれば10万円未満の貸出金利が一番高く設定されるのは仕方のないことかもしれません。
では10万円以下の借り入れは、一番高い上限金利となると諦めるしかないのでしょうか?
いいえ、大丈夫です。
どのカードローンを選ぶのかによって、金利メリットを生み出すことは不可能ではありませんし、やり方によっては800万円を借り入れする際のような低金利だって期待できます。
利息制限法によって設定されているのは、あくまでも上限金利の制限です。
よって、その上限金利いっぱいまでの金利設定をするか、それよりも安く金利設定するかは、貸主の意向に委ねられており、上限金利がそのまま設定されているわけではありません。
各貸主の考えによって、その金利設定は違っています。
そこで注目して欲しいのが上限金利です。
上限金利と下限金利とは?
カードローンの金利は「△△%~○○%」といった幅を持たせた表記が取られていますが、これは先程説明したように、借入限度額に応じて適用金利が設定されているからです。
この金利表記の「△△%」を下限金利、「○○%」を上限金利と呼び、下限金利が一番低い金利、上限金利が高い金利となり、借入限度額によって設定金利が適用されます。
ここで注目してもらいたいのが上限金利。
カードローン金利を見る際にはどうしても、一番安い下限金利に目が行きがちですが、こんな金利が適用されることは滅多にありません。
しかも10万円以下となれば、先ほどの利息制限法の兼ね合いから、一番高い上限金利が適用されるのが一般的です。
これはみずほ銀行でも「10万円以上~100万円未満・金利14.0%」と上限金利が適用されていることからも明白でしょう。
10万円以下の少額借入で金利メリットの高い利用を考えるならば、上限金利の適用となるということをよく理解した上で、対策を立てる必要があるのです。
対策の鍵は上限金利にあります。
みずほ銀行の上限金利は14.0%と、利息制限法で定められた20%の上限金利よりも格段低く設定されています。
先程も申しましたが、上限金利の設定は貸主の意向に委ねられています。
よって、各カードローンの上限金利が一定というわけではありません。
となれば金利メリットを生むことを目的に申し込みするのであれば、この上限金利が一番低く設定されているところを選べばいいということになってくるのです。
10万円以下の借り入れで最も金利が安いカードローンは?
それでは実際に各カードローンの上限金利がどうなっているのかを見ていきましょう。
消費者金融と銀行の金利を比較しよう
消費者金融の上限金利は18%前後、銀行ならば15%前後ですから、金利メリットを考えて申し込み先を選ぶのであれば、やはり消費者金融よりも銀行の方がおススメとなってきます。
そこでまずはこの両者の上限金利の比較から初めていきます。
①消費者金融
消費者金融の場合は利息制限法によって上限金利が15.0と定められている100万円以上の借り入れまでは、各社の上限金利が適用されているのが一般的です。
・アコム 上限金利18.0%
・プロミス 上限金利17.8%
・SMBCモビット 上限金利18.0%
・アイフル 上限金利18.0%
よって10万円以下の借り入れの場合、18.0%の金利適用となると考えられます。
となればやはり消費者金融のカードローン金利は高いと言わざるを得ないでしょう。
②銀行
消費者金融に対して銀行の上限金利は下記のとおりです。
・みずほ銀行 上限金利14.0%
・三井住友銀行 上限金利14.5%
・じぶん銀行 上限金利17.5%
・オリックス銀行 上限金利17.8%
・イオン銀行 上限金利13.8%
銀行カードローンの金利は15%前後と言われていますが、驚くことに中には消費者金融と変わらない18.0%くらいの金利設定を行っているところが見受けられます。
低金利と言われている銀行カードローンでも、全部がそれに倣っているわけではないのです。
よく確認してから申し込まないと自分では低金利の銀行カードローンを利用しているつもりが、消費者金融カードローンと変わらない金利で借り入れしていたということにもなりかねません。
消費者金融クラスの金利で銀行カードローンを利用していたというバカな事態は避けるためにも、金利の確認だけは必ず行うよう心がけましょう。
限度額が高額なら金利は更に低くなる!
カードローンは少額借入を目的とした金融商品ですから、10万円以下の借り入れを目的に申し込む方は少なくないでしょう。
しかし、突然数百万単位の借り入れが必要となる可能性も無きにしも非ずです。
そんな突然の出費に対応できるのがカードローンの1つのメリットですが、利用限度額が借り入れ希望額に達していなければ何の効力も発揮しません。
となれば普段は必要なくても、急の出費に備えてできるだけ高額の利用限度額設定を設定しておくのも賢い方法です。
利用限度額が大きくなったからといってカード使用料が発生するなどの不利益は全くありませんし、低金利で借り入れすることが可能になります
実際に150万円をカードローンで借り入れした際の金利がどう変化するのかを見てみましょう。
・アコム 100万円以上~300万円以下 適用金利7.7%~15.0%(上限金利18.0%)
・アイフル 100万円以上~300万円以下 適用金利15.0%(上限金利18.0%)
・みずほ銀行 100万円以上~200万円未満 適用金利12.0%(上限金利14.0%)
・三井住友銀行 100万円超~200万円以下 適用金利10.0%~12.0%(上限金利14.5%)
・オリックス銀行 100万円超~150万円以下 適用金利6.0%~14.8%(上限金利17.8%)
・イオン銀行 100万円~190万円 適用金利8.8%~13.8%(上限金利13.8%)
イオン銀行を除けば軒並み金利が低くなっていることがお分かりいただけるでしょう。
しかし、イオン銀行のように適用金利に幅を持たせている場合は、一番低い8.8%の金利で100万円の借り入れできる可能性もあります。
となれば、幅を持たせている金利設定のところに申し込んだ方が、みずほ銀行のように固定の12.0%で100万円を借りるより、6.0%や7.7%といった低金利での借り入れができる可能性も出てくるのです。
適用金利は審査結果によって判断されますが、メリットの高い利用を目指すのであれば、固定よりも幅を持たせた金利設定を行っているところに申し込むのも、1つの方法と言えるでしょう。
利用限度額の設定金利が借入額に関係なく利用できる
10万円以下の少額借入を常とする利用者は、あまり利用限度額に関心がないため、初回申し込み時には30~50万円程度の限度額設定となっているのが一般的です。
利用限度額を低く申し込むのは、カードローン審査に通りやすくするコツの1つと言われていますが、それよりも高い利用限度額が利用できる方にとっては、金利面で大きな損をしていることになります。
実は、高い利用限度額が利用できる方は、申し込みしておくに限るのです。
それは設定された金利がすべての借入額に適用されるからです。
下記の三井住友銀行カードローンの金利体系を見てください。
・100万円以下 適用金利12.0%~14.5%
・100万円超~200万円以下 適用金利10.0%~12.0%
・200万円超~300万円以下 適用金利8.0%~10.0%
・300万円超~400万円以下 適用金利7.0%~8.0%
・400万円超~500万円以下 適用金利6.0%~7.0%
・500万円超~600万円以下 適用金利5.0%~6.0%
・600万円超~700万円以下 適用金利4.5%~5.0%
・700万円超~800万円以下 適用金利4.0%~4.5%
通常、利用限度額にこだわらず申し込むと、利用限度額は100万円以下で適用金利もよくて12.0%です。
しかし、800万円の利用限度額を希望して、その申請が通れば1番低い4.0%の金利が適用される可能性もあります。
よって借入限度額が800万円に設定されていれば、10万円以下の借り入れでも4.0%が適用金利となります。
10万円を12.0%、4.0%で借入れした場合の利息差は下記のとおりです。
・10万円 × 12.0% = 12,000円
・10万円 × 4.0% = 4,000円
なんと1万円もの利息差が生まれています。
高額な借入限度額を設定可能な方であれば、通常利用するのが10万円以下の少額借入でも、できるだけ高い利用限度額設定を行っておくことで、驚く程の低金利での借り入れができるというわけです。
これは10万円以下の少額借入ユーザーにとっては、本当に大きなメリットを生むカードローン申込方法となってくるでしょう。
10万円以下の少額借り入れでもメリットの大きい利用はできる!
いくら低金利が売りの銀行カードローンでも、10万円以下の少額借入となれば上限金利が適用されることとなるので、基本的には金利面で大きな恩恵を受けることはできません。
だからといって初めから金利を無視したカードローン選びをする必要はないのです。
決して銀行カードローンならどこでも同じなどと思わないでください。
各銀行の上限金利を比較してやることで、少しでも低金利のカードローンを利用することが可能ですし、高額な利用限度額設定が可能な方であれば10万円以下の少額借り入れも、驚くような低金利で利用できる可能性だってあるのです。
そして、消費者金融と比べてサービスが悪いと言われている銀行も、様々なサービスを展開するようになり、今回話題に上がったじぶん銀行でも、2014年6月26日以降にauに加入契約した方限定にはなりますが、契約時に金利0.1%引き下げサービスを行っています。
また、短期返済が確定している場合には、銀行カードローンにこだわる必要はありません。
今や消費者金融の代名詞となった、下記のような無利息キャッシングを利用すれば金利ゼロで借り入れすることができます。
・プロミス 初回借入日の翌日から30日間無利息
・アコム 契約日の翌日から30日間無利息
・アイフル 契約日の翌日から30日間無利息
給料日やボーナス支給時期に合わせて申し込みし、この無利息サービスを利用すれば、本当に計画的な借り入れをすることが可能になります。
すべてが初回契約時のみのサービスとなっている点が残念なところではありますが、単発的な借り入れには使い勝手のいいサービスと言えるでしょう。
また金利面等の総合スペックでは今回紹介した消費者金融より条件は落ちますが、返済さえ確実に行っておけば半永久的に3万円以内の無利息サービスが利用できるノーローンもあります。
低金利での借り入れが難しい10万円以下の少額借り入れでも、チャンと下調べを行い、対策を立ててやることで金利メリットのある借り入れを行うことができるのです。
カードローンなんてどこに申し込んでも大差はないとお考えだった方も、今回の内容を理解いただければ、どこに申し込むかで得られるメリットには大きな違いがあることがお分かりいただけたでしょう。
この点をよく理解して、少しでもメリットのあるカードローン選びを心がけるようにしましょう。